中小企業診断士の診断実務補習15日間コースを終えて

事前準備

だいたい月曜日に指導員からメールの確認が届き、資料提供がされる。資料の共有方法は指導員の選択によるので、one drive, Dropbox, chat workと3者3様でした。

事前資料に含まれるものは、決算資料、直近3年分またはそれ以上の期間のPLとBSはあります。CFはなかったので、PLとBSから作る必要があります。その他今までの経緯が分かる資料もありました。例えば、指導員による事前面談であったり、社報、ワークショップ資料、顧問先の場合は各種検討資料などです。

業界辞典は結構必須です。指導員の好意で準備していただいたが、通常は自分で準備する必要があります。図書館でコピーすることができます。書いてあることを当てにするというよりは、業界ごとの関連する業界団体の把握や統計資料のソースの理解に使いました。

事前に担当分野を決めます。診断先によって多少異なりますが、班員が6名であれば、経営戦略、財務、人事組織、営業マーケティング、情報、オペレーションというのが基本です。2次試験で言えば、経営戦略と人事組織が事例1、営業マーケティングが事例2、情報とオペレーションが事例3、財務が事例4に相当すると考えると、イメージがつきやすいと思います。

1日目金曜日

指導員およびチームとの顔合わせです。午前中に事前資料からの診断先に対する理解の確認と質問事項の洗い出しを行いました。午後は、診断先に訪問して社長と面談をし、午前中に準備した質問をします。時間があれば、面談後に回答内容を振り返りします。服装は、診断先の訪問があるので、スーツなどのフォーマルとなります。

作業場は、指導員の事務所か貸し会議室のいずれかです。指導員の事務所の場合、Wi-Fi、プリンター、プロジェクターなどはあったりなかったり、まちまちとなります。

2日目の土曜日

午前がSWOTで面談内容を振り返り、午後がクロスSWOTで経営課題の書き出します。他のフレームワークもありますが、ほぼSWOTとクロスSWOTしか実習では使わないです。クロスSWOTは、強みx機会などで課題を書き出していきますが、課題という概念に対する理解は2次試験受けてきた人でもばらつきがあります。私の理解では、課題は、実現できる出来ないは置いておいて、その会社の現状とあるべき姿の差分であり、何をすべきかということ。英語ならwhatの話です。提言は、課題解決のためにどのように実施するかという、howの話です。人によっては、課題の詳細版が提言という説明も受けました。詳細と言うと、主観的すぎて、課題と提言の議論が混ぜこぜになるので私にはあまり腑に落ちない説明でした。時間に余裕があれば、担当ごとにクロスSWOTをして、何を報告書の柱にするか合意します。2日目の服装はカジュアルで良いです。2日目以降は個人作業になるので、2日目に少なくとも経営戦略のクロスSWOTは終わる必要があります。

2日目の間に、報告書のワードテンプレートを用意して、班で共有した方が良いです。1社目にて各々が異なるテンプレートにて作業して、あとで一つにまとめるのに苦労しました。テンプレートの作り込みは不要ですが、目次の設定と目次の表示レベルに合わせて、見出しのスタイルの設定、図表番号の振り方ぐらいは決めておいた方が良さそうです。

日曜日はお休み

集まることはしないので、担当分の報告書に取り掛かります。報告書は1担当あたり図表を入れて15ページです。文字数だと、6,000から8,000文字になります。個人的には、ブログ3記事分という感覚なので、毎日ブログを書いていく作業と似てると思いました。

2週目の月曜日から金曜日まで、個人作業

私の場合、いきなり文章を書くことはしませんでした。普段はプレゼンテーションで作業することが多いので、手書きでスライドのイメージを作って、話の枠組みを明らかにしてから、文章に取り掛かりました。いざ書き始めてみると、自分の知識が曖昧で、書きにくいところが出てきますが、いちいちネットで検索とかすると時間がかかるので、とりあえず頭の知識だけで書ききります。検索して補填するのは後にします。

文章の構成は、1.現状、2.課題、3.提言が基本。課題や提言が複数あれば、2.1など使ってまとめる。

水曜日か木曜日ぐらいにチームとドラフトを共有します。特に班長もしくは経営戦略担当者はみんなが整合性を気にしているので、大筋だけでも共有します。私は、1社目がオペレーション、2社目が経営戦略、3社目が情報を担当しました。ちなみに経営戦略は2日目までの作業がしっかり出来ていれば、SWOTとクロスSWOTをそのまま書いて、どれが重要な要因もしくは経営課題なのかを選択すればよく、文章自体は書きやすいです。あとは外部環境分析のために関連省庁が出している統計資料などをネットで収集して記載します。ネットで検索すると、矢野研究所とかのレポートも便利に見えますが、無料では限られた情報しか手に入らないし、たとえ有料版にアクセスがあったとしても、自身の解釈なく使うことは避けたいです。一見最もらしいことが書けますが、おそらく診断先の状況と合わない部分があるはずです。

3日目は土曜日

午前中に各々のドラフトを共有して、午後は午前中のフィードバックを元に担当分を仕上げます。早めに終わった人から、添付資料である様式に診断先の基本情報を入力していきます。

4日目日曜日

担当分が完成していれば、一つのWordファイルへ統合作業を進めます。Wordのスキル次第ですが統合すると、体裁が崩れたり何かと不具合が生じるので対応します。その後、全体を通した読み合わせや相互レビューなどをして、てにをはを含めた詳細を修正していきます。夕方には印刷をします。印刷は、指導員によっては、事務所のプリンターを使わせてもらえることもあるし、キンコーズなどを利用する場合もあります。製本についても、色々なパターンがあり、私は1社目は製本なしのホッチキス留め、2社目は先方へ提出する2部だけ製本、3社目は全員分製本でした。指導員の好みもありますが、どれぐらい順調に校正作業が終わるか次第のところが大きいです。

5日目月曜日

午前に報告会の練習をし、午後から報告会でした。6人ですので一人あたりおよそ10分での説明です。各章は15ページぐらいはあるので全部を丁寧に説明する時間はありません。報告書のページを示しながら、要点のみを伝えることが必要です。前日に製本を依頼した場合、午前中に製本を受け取りが発生します。報告会は、だいたい午後から2時間程度でした。診断先の社長から突っ込んだ質問はありませんでした。おそらく人間、誰しもいきなり100ページ近い報告書を1時間程度で説明されて、「質問はありますか?」と聞かれても情報の処理が間に合わないと思います。理想を言えば、前日に資料を事前に送っておいて議論が出来たらより有意義ですが、私たちの作業が間に合いません。早ければ午後3時ごろには報告会が終わりますが、協会からの指示もあり午後5時までは振り返りなどをしてから解散となります。1社目と2社目の場合は、次の診断先の事前情報がきているので、準備を開始します。

以上を3回繰り返して、15日間コースの完了になります。15日間コースは同じチームで3社を担当するので、どんどん作業が効率的になりました。良いメンバーにも恵まれて、今後の活動の財産になりました。

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